
東京都内などに約九十店を置き、預金量三兆九千七十九億円(二〇二〇年十月末現在)を誇る業界第二位の信用金庫。東日本大震災発生後、福島県内で復興支援活動を続けてきた。
職員、家族に福島県出身者が多く、震災は「人ごと」ではなかった。被災地の経済再生に向け、二〇一二(平成二十四)年に都内で商談会「“よい仕事おこし”フェア」をスタートさせた。東京国際フォーラムで開いた二〇一九(令和元)年十月には五百二十一のブースが並び、県内関係は三十六で東京都に次いで多かった。来場者は四万七千人に及び、自慢の味、ものづくりの技を全国に発信する絶好の機会となった。
同年春には、計三千人の顧客がいわき市の観光施設などを巡るツアーを数回に分けて実施。行く先々で、海産物やワインなどお土産を買い求める姿が見られた。若者の目線で市内ににぎわいを呼ぶ方策を考えようと、二〇二〇年には東京都の桜美林大に寄付講座を開設した。都内中野区の高円寺支店の新築では南会津町産のカラマツを梁(はり)や柱に使い、話題をまいた。
川本恭治理事長(59)は「われわれの活動を支援とは考えていない。人のために尽くすことが、城南のDNA」と言い切る。
■メモ
▽設立=1945(昭和20)年8月
▽理事長=川本恭治
▽職員数=2100人
▽住所=東京都品川区西五反田7の2の3
▽電話番号=03(3493)8111