
須賀川市長沼地区の初秋の風物詩「長沼まつり」を盛り上げるため、一九九一(平成三)年度からねぶたの制作を始めた。恒例行事を受け継ぎ、地域の活性化に寄与している。
長沼まつりは大小のねぶたやねぷた約十基が地域を練り歩く。一九八五(昭和六十)年から続く伝統行事には毎年多くの見物客が訪れる。長沼高のねぶたは実行委員会や美術部が中心となって制作する。二〇一九年には高さ約四百五十センチの「雷神」を手掛けた。まつり当日は太鼓を打ち鳴らす雷神のねぶたに多くのカメラのシャッターが切られた。
二〇二〇(令和二)年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でまつりが中止となった。地域活性化に貢献しようと、全校生が地元の長沼商工会館に取り付けるイルミネーションをデザインした。さまざまな活動が制限される中、高校生の情熱が込められた明かりは住民を笑顔にした。
吉井香純(かすみ)さん(18)=三年=は一年生の時からねぶたづくりに励んできた。まつりを通じて、仲間同士が尊重し合う大切さを学んだ。「多くの人が長沼地区の魅力を知るきっかけになってくれたらうれしい」と期待している。
◆長沼高◆
▽設立=1978(昭和53)年4月
▽生徒=74人
▽住所=須賀川市長沼字子ッコ橋58
▽電話番号=0248(67)2185