
学生と福祉分野が連携して新たな価値を生み出す「学福連携」を掲げる。障害者就労施設と協力して3Dプリンターでフェースシールドを製作し、自治体や福祉施設に寄贈している。
活動を始めたきっかけは二〇一九(令和元)年十月の豪雨災害。浸水した友人の畑を情報通信技術(ICT)を使い再生しようと、福島大と日大工学部からメンバーが集まった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で当初の企画は進まなかったが、感染対策用のフェースシールドの需要を見越し、副代表の設楽晴海さん(25)=福島大大学院=を中心に製作を進めてきた。
福島市の障害者就労支援施設「まちなか夢工房」にある3Dプリンターを使用した。施設では障害者がパンの製造・販売を担い工賃を得ていたが、コロナ禍の影響で売れ行きが落ちていた。フェースシールドを作る際、作業の一部を障害者に代わってもらい、約六百時間分の作業を生み出し、工賃を支払えるような体制を整えた。代表の仁井田裕陽(ゆうひ)さん(21)=日大工学部三年=は「オリジナルのフェースシールドを製作・販売して利益を産み、持続可能な取り組みに近づけていく」と目標を示した。
◆Krei-Agri◆
▽設立=2019(令和元)年9月
▽代表=仁井田裕陽
▽メンバー=4人
▽電話番号=080(6010)0508