
学生部門で唯一の個人受賞となった。照明や横断歩道など不特定多数の人が使うスイッチやボタンに触れて新型コロナウイルスに感染しないよう、手をかざすと反応する「タッチレススイッチ」を考案した。
手をかざすと水が流れるトイレなどからヒントを得た。壁を傷つけない構造で、マンションやアパートでも使える。電源にはモバイルバッテリーを使用し、繰り返し使える。消毒液や手袋などの節約にもつながる。
二〇二〇(令和二)年三月、中国でAIラジコンカーの研修に参加する予定だったが、新型コロナの感染拡大でやむを得ず見送った。落胆したが、国内でも状況が深刻化する中で「つらいのは自分だけではない」と気持ちを切り替えた。悔しさをバネに、会津大で開催されたオンラインハッカソンに全力投球した。「タッチレススイッチ」を披露し、高い評価を受けた。
実証実験に向け、会津若松市と調整している。スイッチを公共施設などに取り付け、不特定多数の人に使ってもらいながら装置の効果を検証したい考えだ。「医療現場のような最前線で新型コロナと闘う人たちを支えていければと考える」と秘めた思いを口にする。
◆会津大ハッカソン◆
「三密」回避やソーシャルディスタンス確保のための技術開発力を競うイベント。2020(令和2)年5月にオンライン上で開かれ、会津大と同大OBの9チームが出場。IT技術により新型コロナウイルス感染防止を目指す工夫を凝らした製品の数々を発表した。