
チームSCは自然科学部の有志によるグループ。根本佳祐さん(18)=三年=と神村美妃さん(17)=二年=が東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水を、藻類の力で浄化するシステムづくりを目指している。
先輩が続けてきた藻類と放射性物質に関する調査をベースに、学校近くの沼で多様な藻類を採取、分析している。細胞内に多量の水をためられるイシクラゲに注目。タンク内の処理水をイシクラゲに吸収させて体積を減らし、安全な濃度に薄めて空気中に放出する仕組みができないかと考えた。
ストロンチウムやセシウムといった水中の金属イオンを吸収するシャジクモやミカヅキモと合わせた「三段構え」の処理システムの開発を目標に実験に励んだ。吸収効率を高める発光ダイオード(LED)照明を藻類に当てるなど、試行錯誤を重ねた。処理水の大気放出に応用できれば、海洋放出よりも短期間で処分できる-との仮説にたどり着いた。
一連の成果を研究発表会で発表し、入賞を重ねている。根本さんは「大学進学後も生物や化学の知識を蓄え、処理水問題の解決に貢献する」と飽くなき探求心を示す。
◆チームSC◆
▽設立=2019(令和元)年8月
▽代表者=根本佳祐
▽メンバー=2人
▽住所=福島市上浜町5の10(学校)
▽電話=024(522)2049(学校)