
東京五輪の聖火リレーは十日、和歌山県の二日目を迎えた。二〇一二年ロンドン五輪の体操男子団体総合銀メダリストの田中和仁さん(35)が、九日にランナーを務めた体操の元五輪代表で妹の理恵さん(33)に続き、和歌山市でトーチを掲げて走った。
最初に登場した和仁さんは、和歌山城近くの沿道に詰め掛けた人々に手を振りながら、ゆっくりと走って聖火をつないだ。理恵さんからは「二百メートルの短い距離を楽しんで」と伝えられていたといい「貴重な経験ができた。トーチは重く感じなかった」と、さわやかな笑顔で振り返った。
さらに、新型コロナウイルス禍の中で五輪やパラリンピックに備える代表選手らに向けて、和仁さんは「よいパフォーマンスと成績を残せるよう頑張って」とエールを送った。
聖火は、岩出市や紀の川市など県内を東へ。午後には世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺などを巡る。