
東京五輪の聖火リレーは二十一日、全国二十七府県目となる鳥取県で始まり、「ゲゲゲの鬼太郎」作者の故水木しげるさんの出身地・境港市をスタートした。日本のトライアスロン発祥の地とされる米子市の皆生温泉や、名峰の大山の麓などを巡り、二〇一六年の県中部地震で被害を受けた倉吉市を目指す。
スタート地点の「水木しげる記念館」前では、ランナーを鼓舞する大漁太鼓が勇ましく打ち鳴らされた。第一走者の地元漁師佐々木正さん(54)は、伊達憲太郎市長から聖火を受け取ると、妖怪のブロンズ像百七十七体が並ぶ商店街を軽やかな足取りで駆け抜けた。
重責を果たした佐々木さんは「あっという間だった。(新型)コロナ(ウイルス)が終息し、世の中の人が元気になることを願って走った」と笑顔を見せた。
米子市では、〇〇年シドニーパラリンピックのマラソンで五位入賞の福留史朗さん(63)が登場。無事に走り終えて「ほっとしている。聖火をつなぐことで閉塞(へいそく)感のある今の時代を切り開くことになれば」と話した。
二十一日に日吉津村を走る予定だった、お笑いコンビ「ガンバレルーヤ」まひるさん(27)はランナーを辞退した。
県は新型コロナウイルス対策で全十九市町村のうち十五市町村でコースを短縮し「密」を避けるため観覧を事前申し込み制とした。二十二日は鳥取市など九市町を巡るが鳥取砂丘での走行は取りやめた。