
東京五輪の聖火リレーが十九日、宮城県で始まり、日本がボイコットした一九八〇年モスクワ五輪のフェンシング代表千田健一さん(64)が、気仙沼市の災害公営住宅をスタートした。
初日の出発式は、東日本大震災の被災者らが暮らす気仙沼市鹿折地区の災害公営住宅で開催。住民らがベランダなどから見守った。菊田徳治さん(71)は「感動した。こんなに復興したという犠牲者へのメッセージになったかな」と話した。津波で当時三十二歳の娘を亡くした乃川功さん(70)は「やっとこうしたイベントを見る気持ちになれた。勇気づけられた」と目を潤ませた。
走り終えた千田さんは「気仙沼のパワーを選手たちに届けられた」と笑顔だった。