
東京五輪の聖火リレーが十九日、宮城県で始まり、気仙沼市の災害公営住宅をスタートした。東日本大震災で家族を失った遺族や、被災体験を発信するお笑いコンビ「サンドウィッチマン」らが走り、聖火にそれぞれの思いを託した。
出発式は、被災者らが暮らす気仙沼市鹿折地区の災害公営住宅で開催。第一走者は日本がボイコットした一九八〇年モスクワ五輪のフェンシング代表千田健一さん(64)が務めた。
津波で娘=当時(32)=を亡くした乃川功さん(70)は「やっとこうしたイベントを見る気持ちになれた。勇気づけられた」と目を潤ませた。
初日ゴールの女川町では同県出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」が登場した。伊達みきおさん(46)は「震災から十年。世界からもたくさんの協力をしてもらった。きれいになった女川を感じてもらえたと思う」と語った。