
東京五輪の聖火リレーは八日、埼玉県での三日目を迎え、本庄市では、江戸時代に地元で発明された「世界最古の自転車」とされる足踏み式の四輪車「陸船車(りくせんしゃ)」にトーチを載せて運んだ。弱視者が競技するロービジョンフットサルの元日本代表主将岩田朋之さん(35)が乗り込み、聖火を掲げてゆっくり進むと、会場は拍手に包まれた。
市によると、陸船車は十八世紀初め、庄田門弥という人物が発明。ペダルを踏むと、歯車と連動した車輪が回って走る仕組みで、幕府の将軍が「ごらんになる」との記録が残る。市民団体メンバーの新井正人さん(46)が復元し、「世界に発信するチャンス」とランナーに応募した。
三日目のリレーは、古い街並みで「小江戸」と呼ばれる川越市を出発。県北部の本庄市や深谷市を巡り、午後は旧中山道を南下してさいたま市でゴールする。