
東京五輪の聖火リレーは十五日、開催地の東京都で七日目を迎え、都内初の公道走行が伊豆諸島の三宅島(三宅村)でスタートした。新型コロナウイルス感染拡大への懸念から、ランナーが公道を走るのは島しょ部のみ。それぞれの島にランタンに納めた聖火を運んでおき、前の区間が終わると、次の区間で点火する「瞬間移動方式」を採用。
三宅島は二〇〇〇年に起きた火山噴火で、約四年半の全島避難を余儀なくされた。同島を走る五人のうち最高齢の浅沼掬吉さん(73)は「支援いただいた方への感謝と、復興している島の姿を見てもらいたい」とランナーを志望。走行後、浅沼さんは「火山ガスで失われた島の緑も回復している。走ることができて光栄」と声を弾ませた。
海を望む沿道に集まった観客らは、強い日差しの下、声を出さずに拍手でエールを送った。
十五日は、続いて三宅島から三十キロ超離れた神津島などを走行。午後には新島に入った。