いわきFC

【いわきFC J3への軌跡(上)】チーム内競争で質向上

2021/11/05 12:52

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強いフィジカルを武器にJ3昇格を確実にした、いわきFCイレブン=3日、広野町のJヴィレッジスタジアム
強いフィジカルを武器にJ3昇格を確実にした、いわきFCイレブン=3日、広野町のJヴィレッジスタジアム

 日本フットボールリーグ(JFL)のいわきFCが事実上の昇格に当たるJ3参入を確実にした。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年、浜通り初のプロサッカーチームが誕生する。チームの成長と戦いぶりを振り返り、悲願のJリーグで戦う来季の展望を探る。


 3日、広野町のJヴィレッジスタジアムで東京武蔵野ユナイテッドFCと戦い、勝利をつかんだ。27試合を終え17勝7分け3敗で勝ち点58まで伸ばし、2位を守った。5試合を残し、J3昇格条件の「JFL4位以内」と「Jリーグ百年構想クラブ上位2位以内」をクリアした。

 JFL2年目の今季は豊富な運動量とフィジカルの強さを武器にリーグを戦ってきた。2017(平成29)年から監督を務める田村雄三監督は試合後の記者会見で、「(J3昇格は)選手が課題に向き合い、厳しいトレーニングを乗り越えた結果。90分間止まらず、ハードワークするカルチャーが浸透してきた」と評価する。

 いわきFCはフィジカル強化と選手育成の充実さをアピールし、力のある選手を集めてきた。いわき市にあるいわきFCパーク内の専用トレーニング施設で、選手は週3日程度、体づくりに励む。選手に合った最適な負荷をかけるため、遺伝子検査も導入している。定期的な血液検査で選手の栄養状態をチェックし、栄養士やコーチが栄養不足や問題があればアドバイスする環境を整える。

 後半戦からゲームキャプテンを務めるMF山下優人も「ここまでフィジカルを鍛えた経験はない。自分のサッカー観が広がった」と話す。

 レギュラー争いもチーム力を底上げした。いわきFCは今季、8人の選手を獲得。このうちJリーグ経験者が4人おり、チーム内の競争が活発化した。その結果、全試合に出場し、左右のサイドバックとサイドハーフをこなすMF嵯峨理久や、JFLの得点ランキングで3位につけるFW古川大悟らが頭角を現し、チームをけん引した。

 今季のチームスローガンは「HUMBLE&HUNGRY(謙虚に、貪欲に)」。J3参入を確実にしたが、目の前の目標はあくまでJFL優勝だ。今季掲げた「勝ち点70、70得点、失点30」を達成し、頂点を目指す。