
磐城が聖光学院を圧倒した。磐城は前半6分、敵陣22メートルラインのラックからパスをつなぎ、CTB鈴木心が先制トライ。その後も攻勢を強めて計8本のトライを奪い、突き放した。聖光学院は後半に2トライを返して意地を見せたが、追い付けなかった。
▽準決勝
磐 城 56―12 聖光学院
(28―0)
(28―12)
■けがから復帰の上遠野 体が反応3トライ 磐城
磐城主将のSH上遠野晶太が3トライの活躍でチームを勢いづけた。けがからの復帰戦のためサポート役に徹するつもりだったが、「体が反応した」とトライゲッターとしての血が騒いだ。
前半6分、敵陣でパスを受けると相手ディフェンスをかわしながらCTB鈴木心にボールをつなぎ先制点を演出。直後の前半7分と同20分には独走から自らトライし、後半にも1トライを決めて存在感を放った。
1カ月前の練習中に顔面を強打して戦線を離れ、初戦の日大東北戦をベンチで見守った。僅差での勝利に「自分を含めてチームも納得してなかった」と反省。復帰戦の今回はゴーグルをつけて出場し、SHとしてチームをまとめながら大きな展開や細かいパスで三年前の花園出場校を寄せ付けなかった。
家族の影響で幼い頃からラグビーに親しみ、花園は憧れの場所だ。10年ぶりの聖地に向けて「決勝までに今日の反省点をしっかり詰めていく」と誓った。
■後半トライ意地見せる 聖光学院
聖光学院は磐城の猛攻に苦戦したが、後半20分にPR丹野孝賢(3年)がトライを決めて意地を見せた。前半の苦しい展開でも丹野は「前を向こう」と声を出し、チームを盛り上げた。後半に入ると徐々にボールを支配する時間が増えたが、詰め切れなかった。後輩に対し「より精度の高い連係が構築できるチームをつくってほしい」と期待した。