

勝負強さを見せた尚志が学法石川との接戦を制した。尚志は前半28分、FW小池がDF佐藤のクロスに頭で合わせ、先制。その後、同点とされたが後半ロスタイム、DFアンリが前線に駆け上がり、MF草野からパスを受け、決勝ゴールを決めた。学法石は後半33分、DF原田のロングスローをMF森がつなぎ、DF円道がゴールを決め、一時同点としたが、届かなかった。
▽決勝
尚志 2-1 学法石川
(1-0)
(1-1)
▽得点者【尚】小池(前28分)アンリ(後42分)【学】円道(後33分)
■アンリ決勝ゴール 「絶対に自分が決める」 仲間信じ強気のプレー
尚志はパスをつないで攻めるスタイルを貫き、終盤の劇的なゴールで勝利をもぎ取った。決勝ゴールを決めたDFチェイス・アンリ(3年)は「スペースが空いていたので走り込んだ。絶対に自分が決めるつもりだった」と笑顔を見せた。
尚志は自陣でのコーナーキックをはじき返すと、一気にカウンターを仕掛けた。前線に残っていたFW草野太貴(3年)が右サイドでドリブルを仕掛けてDFを引き付け、最終ラインから駆け上がったアンリにパスを出した。アンリは冷静に左足を振り抜き、ネットを揺らした。「草野といつも練習している形だった。パスが来ると信じていた」と語った。仲村浩二監督は「全国大会への強い気持ちをプレーで示してくれた」とたたえた。
チームは昨年、学法石川に準決勝で敗れた。この試合も終盤、同点に追い付かれる苦しい展開だったが選手は動じなかった。主将のFW松本勇斗(3年)は「慌てないようにと声を掛け合った。いつも通りのサッカーを最後まで貫き、決勝点を呼び込めた」と振り返った。「全国の舞台でも尚志らしいサッカーで頂点を目指す」と力強く語った。
■FW小池が頭で先制弾
先制ゴールを頭で奪った尚志のFW小池悠斗は「2試合連続で得点を決められてよかった」と声を弾ませた。高円宮杯U-18プリンスリーグ東北では8得点でランキング2位につけている。決定率はリーグ1位だ。「途中出場が多い中、少ないチャンスで決め切る力を付けられた」と手応えを口にする。「全国大会でも勝利に導く得点を挙げる」と誓った。
■学法石川連覇逃す 円道主将「力出し切った」
連覇を逃した学法石川イレブンは試合終了のホイッスルが鳴り響くと肩を落とし、涙を流した。一時同点のゴールを決めた主将のDF円道竣太郎(3年)は「連覇を果たせず悔しいが、最高の仲間と力を出し切って戦い抜けた」と胸を張った。
1点を追う後半33分、DF原田雄斗(3年)のロングスローをMF森隼真(3年)がつなぎ、円道がファーサイドを狙って振り抜いた。「3年間の思いを全て乗せた」と語る。稲田正信監督は「円道がリーダーシップを取ってチームをここまで引っ張った。よくやってくれた」と評した。
主将の一発に勢いづいたチームはその後も果敢に攻め続けた。エースのFW佐藤武流(3年)がGKと1対1となる場面をつくったが、惜しくもシュートはボール1個分、枠から外れた。「焦りが出た。チームを救えず悔しい」とエースとしての責任を口にした。
敗戦の悔しさの中にも大きな成果があった。円道は「決勝の舞台で粘り強く戦えた経験を次に生かす。後輩には全国での勝利を目指してほしい」と思いを託した。