東日本大震災・原発事故

葛尾村野行地区で30日から準備宿泊 復興拠点で最も早く実施へ

2021/11/22 09:45

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 政府と福島県葛尾村は21日、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、来春の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)となっている同村野行地区で、今月30日に住民の準備宿泊を開始すると決めた。復興拠点の準備宿泊の開始決定は大熊町に続き2例目で、復興拠点が設定された6町村で最も早く実施される。

 対象地域は、野行地区約1600ヘクタールのうち、復興拠点となっている約95ヘクタール。この地域では除染と家屋解体が完了している。同地区の住民登録は今月1日現在、34世帯93人で、このうち、復興拠点内に登録されているのは30世帯83人。同地区のうち、4世帯10人は復興拠点外のため、対象外となる。

 篠木弘村長が21日、住民説明会で日程を説明した上で、政府との協議で正式決定した。説明会では参加者が準備宿泊開始に同意した一方、放射線量のさらなる低下を求める意見などが出た。

 終了後の取材で、篠木村長は避難指示解除時期について「住民本位なので、村の除染検証委員会の意見を踏まえて対応したい」と語った。

 準備宿泊は本来、避難指示区域内で禁止されている自宅での宿泊を特例的に可能にする制度。希望者は宿泊希望日の3日前までにコールセンターに連絡し、事前登録する。

 事前登録はコールセンター フリーダイヤル(0120)357133へ。