鎌倉殿の側近(12月16日)

2021/12/16 09:16

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 来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送を二本松・安達地方の歴史ファンが楽しみにしている。「安達」の姓を持つ藤九郎盛長は源氏の棟梁[とうりょう]源頼朝の側近中の側近であり、幕府を支える十三人に名を連ねる。脚本の三谷幸喜さんはどんな人物として描くのだろう▼頼朝が伊豆に流されている時代から仕えてきた最古参の御家人で、北条政子との仲を取り持ったともされる。多くの功績により安達の領地を与えられ、安達氏を名乗るようになったようだ。頼朝なき後は政子の弟の北条義時らと共に、合議制の一員として政務を担った▼提灯[ちょうちん]祭りで知られる二本松神社は盛長が熊野大神を祭ったのが始まりとされている。「二本松市史」には市内永田地区の城館跡が居城だったとの伝承や、つじ堂に盛長夫婦と伝わる木像が安置されているとの話が記されている。鎌倉の政権中枢から遠く離れた地に刻まれた縁は興味深い▼「ドラマへの登場は好機。開始が待ち遠しい」。地元の観光振興につながる話題を探す岳温泉の関係者は、歴史のヒーローとして光を当てようと策を練る。来春、市内に開館する二本松城文化観光施設で紹介しても面白いのではないか。