受験を描いている漫画の一つに「ブルーピリオド」がある。主人公は素行は悪いが成績優秀な高校二年生。やりたいことが見つからずに過ごしていた。美術部の先輩の作品を偶然目にして衝撃を受け、それまで興味がなかった美大進学を目指す▼授業で描いた絵を先生や周囲の生徒に褒められた時、「初めて人と話せた気がした」と心情を語る。自分の夢を見つけた瞬間の感動が表現されている。真面目に絵に向き合い、予備校にも通いだす。自分が上達していく喜びを感じながら、美術の世界にどっぷりと浸っていく▼もうすぐ冬休みになり、高校や大学を受験する生徒にとっては本番に向けた追い込みの時期になる。多くの中学三年生や高校三年生は、志望校に合格するために勉学にいそしんでいる。学校帰りや休日に塾に通ったり、睡眠時間を削って机に向かったりして毎日努力を重ねているはずだ▼社会に役立つ仕事に就きたい、家業を支えたい、好きな道を突き詰めたいー。目標を持って頑張る生徒も多いだろう。漫画の主人公は遊びをやめ、血のにじむような勉強を続ける。夢は人を動かす力になる。苦労の先にこそ、輝く未来が待っている。