高校ラグビー

磐城初戦敗退 高鍋(宮崎)に0-45 全国高校ラグビー

2021/12/29 10:26

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【磐城―高鍋】後半、敵陣で一丸となってトライを目指す磐城フィフティーン
【磐城―高鍋】後半、敵陣で一丸となってトライを目指す磐城フィフティーン
パブリックビューイングで選手の奮闘を見守る生徒
パブリックビューイングで選手の奮闘を見守る生徒

 第101回全国高校ラグビー大会第2日は28日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で1回戦11試合を行った。福島県代表で10大会ぶり18度目の出場の磐城は高鍋(宮崎)と対戦し、0-45で敗れた。


▽1回戦

高鍋(宮崎)45-0 磐 城

     (33―0)

     (12―0)


【評】磐城は持ち味の展開ラグビーを封じられ、初戦で敗れた。前半は高鍋の素早い展開に苦戦し、5トライを許した。後半は守備や相手のミスからボールを奪って敵陣に押し込む場面もあったが、高鍋の堅い守りを崩せなかった。


■粘り強く前進

 ノーサイドの笛が鳴るまで磐城フィフティーンは下を向かずに楕円(だえん)球を追い続けた。10大会ぶりの出場で誓った「花園で2勝」という夢はかなわなかったが、主将のSO上遠野晶太は「磐城高ラグビー部として聖地でプレーできて良かった」と涙を拭った。

 緊張した面持ちで花園メイン会場の第1グラウンドに降り立った磐城の選手たち。試合は前半から高鍋ペースにのみ込まれた。鋭いタックルで攻撃の芽を摘まれ、フィールドを広く使う展開力に対応できず、自陣に押し込まれる苦しい時間が続いた。

 それでも磐城は前進し続けた。「これまで多くの人に支えてもらった。感謝の気持ちを伝えたかった」と上遠野。磐城高ラグビー部OBのコーチたちから教わった前に出る守備と低いタックルで粘り強く戦い、後半からは高鍋の反則を誘って攻撃につなげた。

 佐藤芳弘監督は試合後、大粒の悔し涙をこぼす上遠野を抱きしめ、「ナイスゲーム」とねぎらった。


■ゴールまであと数十センチ ナンバーエイト小田桐、悔し涙

 磐城のナンバーエイト小田桐祭(3年)は後半、ゴールライン数十センチまでボールを運んだが、阻まれた。「もっと良い判断ができていれば」。悔し涙を流した。FWリーダーとして常に体を張りチームをけん引してきた。「つらい時間も声を掛け合い、力を発揮できた」と仲間に感謝しつつ、「このままでは終われない。大学でもラグビーを続けたい」と話した。


■生徒と教職員、学校から応援

 福島県いわき市の磐城高の体育館ではパブリックビューイングが開催され、生徒と教職員約130人が試合を見守った。

 応援団が中心となって呼び掛けた。2年生の志村将汰団長(17)は「結果は悔しいが、磐城高ラグビー部らしく最後まで諦めず戦ってくれた」と選手の奮闘をたたえた。

 ラグビー部の筋力トレーニング後に週2回ほど、ボランティアで食事を振る舞ってきた2年生の阿部香花(きょうか)さん(17)は「引き込まれる良いゲームだった」と感動した様子。「これからもおいしいご飯を作るので、来年はリベンジしてほしい」と話した。