

第74回全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)は6日、東京都の東京体育館で2回戦32試合が行われた。5年ぶり10度目出場となった福島県男子代表の郡山北工は、2年連続14度目出場の東京学館新潟(新潟)を2-0で破り、大会初勝利を挙げ16強入りを果たした。
郡山北工は7日の3回戦(正午開始予定)で、8年連続48度目出場の崇徳(広島)と戦う。
大会には各都道府県の予選を勝ち抜いた男女各52校が出場し、トーナメントで優勝を争っている。準々決勝までは3セット、準決勝と決勝は5セット制で争う。決勝は9日に行われる。
新型コロナウイルス感染対策のため、試合は無観客で実施している。
郡山北工 2(25―16)0 東京学館新潟
(25―22)
【評】郡山北工が東京学館新潟にストレート勝ちした。第1セットは久保木颯士(はやと)=3年=や菊地凜太郎=同=のスパイクなどで最大9点差とし、終始試合を優位に進めた。第2セットは前半にサーブミスが続き、相手を追い掛ける展開となった。中盤は宮内杏平=同=の速攻や荒井移吹=同=のアタックで流れを引き寄せ、25-22で退けた。
■強烈スパイク連発 エース久保木
郡山北工の主将でエースの久保木颯士(3年)は勝負どころでスパイクを決め、チームを勝利に導いた。「楽しんでプレーができた」と笑顔を浮かべた。
点の取り合いになった第2セット、苦しい場面で何度も久保木にボールが集まった。強烈なスパイクを連続で決め、後衛に回ってもバックアタックで得点を挙げた。冷静に相手の守備位置を確認し、フェイントも織り交ぜながらレシーバーを揺さぶった。
身長は173センチと男子の選手としては決して高くはない。高校入学後、下半身のトレーニングなどを重ね、10~15センチほどジャンプ力を上げた。最高到達点はチーム屈指の330センチを誇り、高いブロックにも負けない攻撃力を身に付けた。
スパイクで得点を重ねた一方、この日はサーブミスが目立った。「サーブを改善し、チームの目標である8強入りを果たしたい」と誓った。
■「チームの雰囲気を明るく」 菊地、喜び体全体で
郡山北工の菊地凜太郎(3年)は「チームの雰囲気を明るくしたい」と得点が決まるたびにコートを走り回り、喜びを体全体で表現した。初めての全国の舞台を楽しもうと試合序盤から思い切りプレーし、自らのスパイクでも仲間をもり立てた。角度のある速攻やフェイントも決めた。「次戦も自分たちのバレーをして勝ちたい」と闘志を燃やした。