

第74回全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)第3日は7日、東京都の東京体育館で3回戦16試合と準々決勝8試合が行われた。5年ぶり10度目出場となった本県男子代表の郡山北工は、8年連続48度目出場の崇徳(広島)に0-2で敗れ、8強入りを逃した。
男子準々決勝は日本航空(山梨)が前回覇者の東福岡を破った。雄物川(秋田)、鎮西(熊本)、日南振徳(宮崎)も準決勝に勝ち上がった。女子は連覇を目指す就実(岡山)の他、金蘭会(大阪)、古川学園(宮城)、下北沢成徳(東京)が4強入りした。
大会には各都道府県の予選を勝ち抜いた男女各52校が出場し、トーナメントで優勝を争っている。準々決勝までは3セット、準決勝と決勝は5セット制で争う。決勝は9日に行われる。
新型コロナウイルス感染対策のため、試合は無観客で実施している。
▽男子3回戦
崇徳(広島)2(25―18)0 郡山北工
(25―21)
【評】郡山北工が崇徳にストレート負け。第1セット、宮内杏平=3年=や中村偉音=2年=らの得点で一進一退の攻防を繰り広げたが、終盤に5連続得点を許して引き離された。第2セットは18-16とリードして終盤を迎えたが、その後は高さのあるブロックやスパイクに苦しんだ。久保木颯士(はやと)=3年=の強打などで意地を見せたが、及ばなかった。
■久保木主将「全員で楽しんでやり切れた」 全国常連相手に粘り
郡山北工は8強を懸けた舞台で、全国大会常連の崇徳相手に粘りを見せた。久保木颯士主将(3年)は「悔しいが、全員で楽しんでやり切れた」と晴れやかな表情を見せた。
メンバーには、中学時代に全国都道府県対抗中学バレーボール大会の本県選抜に選ばれた仲間がいる。大会や合宿などで技を磨いてきた。久保木は郡山北工と練習試合をした際、チームの雰囲気の良さを感じた。「ここでバレーがしたい」。選抜メンバーだったリベロの勝又元哉(同)らとともに郡山北工の門をたたいた。
平均身長は175センチと出場校の中で最も低い。レシーブやブロックを磨き、拾い負けないバレーを目指した。6日にチーム初の「春高1勝」を飾り、新たな歴史を刻んだ。久保木は「信頼できる仲間たちにありがとうと伝えたい」と感謝を述べた。
■鋭い速攻勢いづける 宮内
郡山北工の宮内杏平(3年)は「8強に届かず悔しいが、このチームで戦い抜けてよかった」と涙を流した。鋭い速攻で第1セットに1点目を奪い、チームを勢いづけた。サービスエースも決め、最後まで仲間を引っ張った。攻撃力は全国でも通用すると感じた一方、守備に課題が残った。「大学でも競技を続ける。今後は守りを磨きたい」と前を向いた。