東日本大震災・原発事故

相双地方で1万人超の転入超過に 住民帰還進む 2020年国勢調査

2022/03/16 21:20

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 2020(令和2)年国勢調査で、福島県の相双地方は転入者が2万1016人、転出者が1万95人となり、1万921人の転入超過となった。2015(平成27)年の前回調査時は6万9803人の転出超過だったが、今回は県内7地方で唯一の転入超過となり、東京電力福島第一原発事故による避難指示の解除に伴う住民帰還が着実に進んでいる実態が表れた。県が16日、発表した。

 相双地方への転入者の内訳は、県外が1万545人で最も多く、県北が3955人、いわきが3314人、県中が2188人と続いた。一方、転出先は県外が6944人、県北が1198人、いわきが1003人などとなっている。

 2015年の前回調査時と比べ、転入者は7818人増加し、転出者は7万2906人減少した。

 ただ、相双地方のうち双葉郡を中心に単身世帯が多い状況となっている。全町避難が続く双葉町を除く7町村のうち、川内村と葛尾村以外の5町村の1世帯当たりの人員は2人未満だった。大熊町は1・05人と最少で、富岡町が1・30人、浪江町が1・37人、広野町が1・75人、楢葉町が1・87人だった。