
Bリーグ2部(B2)の福島ファイヤーボンズは、2021-22のレギュラーシーズンを34勝18敗の東地区3位で終えた。Bリーグ参入6年目にして初めてプレーオフ出場を果たした。準々決勝で敗退し、悲願のB1昇格は実現しなかったが、着実にステップアップしたチームの今季を振り返る。
「タフに戦おう」。森山知広ヘッドコーチ(HC)はことあるごとに選手をこう鼓舞した。当たり負けしない強靱(きょうじん)な肉体をつくるとともに、試合中に動じることなく、適切な判断を下せる精神力、粘り強さを身に付けるよう求めた。
選手は常に意識して練習と試合に臨み、次第にチーム全体に浸透していった。今季のディフェンスリバウンドは1試合平均で29・2本に上る。昨季と比べて5本近く増えた。攻撃の動きを冷静に見極め、着実に相手の得点機会を奪った。攻撃面でも、大柄な選手と競り合いながらゴール下に入り、シュートにつなげる場面が目立った。積極的に攻めることで相手のファウルを誘った。
昨季は9連敗と7連敗を1度ずつ喫するなど、敗戦が続くケースが多かったが、今季は最大でも3連敗にとどまり、負けを引きずらない気持ちの強さを感じさせた。
一方、課題となったのがシュートを決めきる力だった。劣勢になると簡単なシュートを落とすなど、得点の安定感を欠いた。シュート成功率は46・6%で昨季比2・2ポイント増、3点シュート成功率は32・5%で昨季比0・2ポイント増と、大幅には伸びなかった。
チーム編成では、森山HCが今季からゼネラルマネジャーを兼務し、選手契約に直接携わるようになったことが奏功した。B1新潟アルビレックスBBから水野幹太(福島市出身)を迎えるなど、1部や各国の代表チームの経験者を得て選手層は厚みを増した。
レギュラーシーズンの勝率はリーグ参入後、最高となる6割5分4厘。6試合を残した段階で早々にプレーオフ進出を確定させた。悲願を達成するための初めての大舞台に立った。