東日本大震災・原発事故

休止中の福島県立大野病院、大熊町に整備へ 県が方針固める 原発事故から11年

2022/05/28 09:45

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 福島県は東京電力福島第一原発事故の影響で休止中の県立大野病院(大熊町)の後継となる病院を大熊町内に整備する方針を固めた。避難指示解除に伴い住民の帰還が徐々に進んでおり、双葉郡内の医療提供体制を充実させる。原発事故が発生した11年前とは医療ニーズが大きく異なるため、病院の規模や機能は実情に即して見直す。7月にも検討会議を設置して協議に入り、2023(令和5)年度内に方向性を決める。27日の県議会各会派政調会で示した。

 大野病院は帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)内にあり、11年にわたって休止が続いている。双葉郡では避難指示解除に向けた動きが具体化しており、県は住民らの医療ニーズが今後さらに高まるとみて、後継病院の整備を決めた。地元からは病院の再開を望む声が高まっていた。建設や開院の時期は未定。

 新設する検討会議は県、地元自治体、関係団体などで構成する。双葉郡の状況が11年前と大きく異なる点を考慮し、病床数や診療科などを検討する。原発事故発生前の病床数は150床で、内科、消化器内科、呼吸器内科、外科、整形外科、眼科、小児科、泌尿器科、麻酔科の9診療科があった。

 休止期間が長期に及んだ影響で、病院内の電気設備や医療機器、配管などの損傷が目立っている。現在の病院で再開する方法に加え、町内の別の場所への新築移転案が浮上する可能性があるという。

 大野病院は2003(平成15)年1月に診療を開始した。県は2010年7月、大野病院と双葉厚生病院(双葉町)の統合に関する協定をJA福島厚生連と締結。2011年4月から統合する予定だったが、原発事故の影響で両病院とも休止となった。

 県によると、双葉郡の病院は県立ふたば医療センター付属病院(富岡町)と高野病院(広野町)の2つ。