東日本大震災・原発事故

福島県内の避難区域12市町村などの雇用創出へ産業経済圏構築 復興庁が今年度先行事例調査へ

2022/05/30 09:25

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有

 復興庁は東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域が設定された福島県内12市町村やその周辺地域で、中・長期的な雇用の場を創出するための広域的な枠組みとなる産業経済圏を構築する。構築に向けた第1弾として今年度、各市町村の産業構造を分析し、海外などの先行事例を調査する。福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想や国際研究教育機構との連携も視野に、海外・外資系のベンチャー企業などを誘致できる仕組みを整備したい考え。

 29日、大熊町交流施設linkる大熊で開かれた12市町村の復興・再生に関する懇談会で明らかにした。原発事故からの復興の途上にある中、国や各市町村が連携しながら、広域的な企業誘致を進められる体制の構築を目指す。

 手始めとなる今年度の事業として、12市町村や近隣の自治体、商工団体の関係者への聞き取りなどを通じ、産業構造の実態を把握する。地域から必要とされている業種なども調査する。福島イノベ構想が掲げる廃炉、ロボット・ドローンなどの重点6分野を考慮しつつ、重点分野外にも地域で生かせる業種がないか検討する。

 復興庁によると、産業経済圏の考え方は欧米で進んでおり、事例調査の対象となるとみられる。米国には放射性物質による環境汚染から回復し、国内有数の経済繁栄都市に変貌を遂げたハンフォード地域がある。

 12市町村の被災事業者のうち、地元に帰還して再開したのは今年2月末時点で3割程度にとどまり、休業が続くケースも少なくない現状にある。地元からは担い手の確保や人材育成の強化を求める声が上がっており、地域が一体となって企業誘致を進められる環境を整える方針。