東日本大震災・原発事故

東電が避難者らに謝罪 原発事故「心身に取り返しのつかない被害」 賠償責任の確定受け 福島県双葉町

2022/06/06 09:50

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避難者らに向かい頭を下げて謝罪する(右から)内田、高原の両氏
避難者らに向かい頭を下げて謝罪する(右から)内田、高原の両氏

 東京電力福島第一原発事故に伴い福島県双葉町や楢葉町などからの避難者が東電に損害賠償を求めた集団訴訟で東電の賠償責任が確定したことを受け、東電は5日、双葉町産業交流センターで原告らに謝罪した。東電関係者が「当社の起こした事故でかけがえのない生活や古里に大きな損害を与え、皆さまの人生を狂わせ心身に取り返しのつかない被害を及ぼした。誠に申し訳ございません」などと、小早川智明社長名の謝罪文を読み上げた。

 同社が集団訴訟の原告側に、社長名で公に謝罪するのは初めて。

 最高裁第三小法廷が3月、東電の上告を退ける決定を出し、国の中間指針を超える賠償を命じる仙台高裁判決が確定した。これを受け、原告団と弁護団は加害責任を認めた上での謝罪を求めていた。

 東電の高原一嘉福島復興本社代表が「事故による被害の甚大さについて事故の当事者として、その責任を痛切に感じている」「あのような大きな事故を防げなかったことについて深く反省している」などとする文章を代読し、早川篤雄原告団長に手渡した。

 早川団長は「事故を防げなかった原因と責任について客観的事実に基づき、究明する努力を尽くすことを求める」と述べた。原告団の金井直子事務局長は「今後、加害者の東電側と被害者である地域住民側の協働がなければ、この地域の確かな再生と復興は望めない」と語った。内田正明福島復興本社副代表らが同席した。

 終了後、記者会見した弁護団幹事長の米倉勉弁護士は、加害責任を認めた東電の姿勢を評価した一方、「津波対策を先送りにした事実を正面から認めていない」と批判した。