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福島県大会:試合速報

王座奪還、雪辱の夏 聖光学院「日本一挑戦 今年こそ」 全国高校野球選手権福島大会

2022/07/28 10:30

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斎藤監督にウイニングボールを手渡す聖光学院の赤堀主将(左)
斎藤監督にウイニングボールを手渡す聖光学院の赤堀主将(左)
優勝が決まった瞬間、喜びを爆発させる聖光学院スタンド
優勝が決まった瞬間、喜びを爆発させる聖光学院スタンド

 福島県郡山市のヨーク開成山スタジアム(開成山野球場)で27日に行われた全国高校野球選手権福島大会決勝では、昨夏に甲子園の連続出場記録が途切れた聖光学院が王座を奪還した。新型コロナウイルスの影響や福島大会での敗退により聖地に立てなかった先輩への思いを胸に戦った。「今年こそ」。負けられない重圧をはね返し、新たな歴史を刻んだ。

 聖光学院の主戦佐山未来投手(3年)が最後の打者を二ゴロで仕留めた。選手がマウンド付近に集まり、笑顔で人さし指を突きあげる。「やっと『日本一』に挑戦できる」。赤堀颯主将(3年)は斎藤智也監督(59)にウイニングボールを手渡し、抱き合った。

 3年ぶりの福島大会制覇だ。2020(令和2)年は新型コロナの感染拡大で甲子園が中止。2021年は準々決勝で光南に敗れ、甲子園連続出場記録は「13」で止まった。赤堀主将にとっても敗戦は「衝撃」だった。ただ、先輩はその後も練習を支え、試合を見に来てくれた。「負けるわけにはいかない」との気持ちが芽生えた。

 自身は1年生秋の県大会でベンチ入りし、下級生が主体のBチームで主将を務めた。2年の春、横山博英部長(52)から「(主力の)Aチーム入りを打診されたらどうする」と聞かれた。「絶対に上がりません。このチームを秋の大会までに仕上げるのが僕の使命」。自分たちの代を強くしたい思いから言い切った。

 昨年夏、代替わりに伴いAチームの主将に就いた。チームは昨秋と今春の県大会を制し、春は東北大会も優勝した。今月上旬、「このチームが負けたらどうしよう」と悩み、眠れなくなった。胸のうちを仲間に打ち明けた。「お前が苦しんできたのはみんな知ってる。全員で乗り越えよう」。頼もしい言葉に不安は消えた。

 背番号6に全幅の信頼を寄せる斎藤監督は「赤堀にささげる甲子園」とまで言った。昨秋から県内の公式戦無敗で全国に挑む。赤堀主将は「仲間への感謝をプレーで表現し、悲願の日本一を目指す」と宣言した。