
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興が進む福島県川内村で生食用ブドウのハウス栽培が広がっている。現在、シャインマスカットが実り、収穫期を迎えている。29日、初めての品評会が開かれ、産地化に向けて生産者の技術向上を図っていく。
村では営農再開した水稲農家が2015(平成27)年から、育苗ハウスを活用して生食用ブドウを栽培している。既存のハウスを活用することで、初期投資が抑えられるなどの利点がある。
村ハウスブドウ生産組合が設立され、年々、生産者が増え、現在は40戸以上が計50アールほどで栽培している。主に「あづましずく」「ピオーネ」「シャインマスカット」の3種類を育てている。村上川内字中里の秋元敏博さんのハウスでは、シャインマスカットが収穫期を迎えている。
村は生食用ブドウの他に、かわうちワイナリーが醸造用ブドウを栽培してワインを製造し、村の特産品を目指している。
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品評会は村コミュニティセンターで開かれ、11の生産者・法人から18品が出品された。最優秀賞の村長賞に猪狩定一さんのシャインマスカットが選ばれた。
遠藤雄幸村長、県相双農林事務所双葉農業普及所の遠藤幸男所長、JA福島さくらの渡辺祥冬さんらが審査員を務めた。粒の大きさ、房形、色、糖度、食味などを比較し審査した。
▽所長賞=佐久間きみ子・ピオーネ▽特別賞=秋元英男・BKシードレス、秋元佳子・ピオーネ、永沢幸一・シャインマスカット