福島県内の選挙

福島県知事選 30日投開票まで最終盤 現職内堀雅雄候補と新人草野芳明候補

2022/10/28 09:50

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有

 福島県知事選は30日の投開票まであと2日に迫り、3選を目指す無所属の現職内堀雅雄候補(58)=自民、公明、立憲民主、国民民主各党の県組織支援=と、団体役員で無所属の新人草野芳明候補(66)=共産推薦=による一騎打ちは最終盤を迎えた。内堀陣営は若い世代、草野陣営は現県政に不満を持つ層に浸透の余地があるとみて追い込みをかける。

 「国や東電に言うべきことを言い、復興の先頭に立つ。福島県を被災の地から希望の地に変えていく」。内堀候補は27日、浜通りを遊説し、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興再生、地方創生をけん引していく決意とリーダーシップを強調した。

 告示後の2週間で県内を2巡した。過去2回の知事選を上回る93回、街頭演説に立ち、それぞれの地域特有の課題を解決していく姿勢も強調している。農業や商工業、建設業、医療など関係団体の支援を受けて組織票固めを徹底。支持は着実に広がっていると陣営幹部はみている。

 懸念材料は投票率だ。投票率が前回並みの45%程度となれば、得票率が9割に上っても目標の66万票には届かないと陣営は分析。最終盤は大票田の市部を重点的に遊説し、若い世代や無党派層に支持を広げ、投票を促す戦略だ。管野啓二総合選対本部長は「得票が多いほど、当選後にリーダーシップを発揮しやすくなる。一票でも多く積み上げていく」と言葉に力を込める。

 「処理水の海洋放出を認める現知事か、ストップをかける私か。その選択が今回の知事選だ」。草野候補は27日、いわき市を中心に選挙カーを走らせ、福島第1原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出方針への反対姿勢を強調した。

 告示前後で県内を3巡した。演説時間の多くを処理水問題に割き、陸上保管の継続を訴えつつ、賛否を明確にしていないとして相手候補の対応を批判している。陣営は、放出を容認しない層に着実に浸透していると手応えを感じているという。50万票の獲得を目指している。

 遊説で有権者から、海洋放出を中止した場合の具体策を提示するよう求められた。陣営は急きょ、汚染水発生量の低減対策などを記したチラシ10万枚を作成。街頭演説で有権者に配布するなどして政策をアピールしている。井上裕子選対本部長は「相手候補は論戦を避けていると言わざるを得ない。海洋放出計画中止を具体的に提案し、支持を広げたい」と語気を強める。