

▽準決勝 尚志4-1聖光学院
尚志が聖光学院に快勝した。尚志は前半16分、クロスにFW鈴木虎が頭で合わせて先制した。36分には鈴木虎がシュートのこぼれ球を押し込んだ。ロスタイムにMF吉満が決めた。後半32分には途中出場のMF安斎が加点した。聖光学院は後半6分、FW渡辺が1点を返したが、追加点が遠かった。
■「期待に結果で応えられた」 安斎、失点取り返す
2年連続で決勝に進んだ尚志は得意のパスサッカーで主導権を握った。4点目を決めたMF安斎悠人は「仲間がボールをくれると信じていた」とうなずいた。
前半に3点をリードしたが後半6分に失点した。「絶対に取り返す」。安斎は気合を入れた。後半32分、右サイドからドリブルを仕掛けたMF吉満迅と目が合った。ゴール前でパスを受け、冷静に右足を振り抜き、ネットを揺らした。右拳を高く突き上げて喜びを爆発させた。
公式戦での得点は今年の全国高校総体(インターハイ)県予選の2試合のみ。試合の反省点などをノートに書いて仲村浩二監督に提出すると、「絶対に結果が必要」と毎回のように決定力不足を指摘された。全体練習後1時間半以上、吉満らとパスの交換からのシュートを磨いてきた。成果を準決勝の舞台で発揮し、「期待に結果で応えられた」と笑顔で汗を拭った。
「シュートとアシストで県大会優勝に貢献する」と2年連続13度目の頂点を力強く宣言。チームの目標は全国制覇だ。
■聖光学院渡辺、意地のゴール
聖光学院は10年ぶりの優勝を目指したが、シュート5本と相手の堅い守備を崩せなかった。チーム唯一の得点を挙げたFW渡辺陽路(ひろ、2年)は試合後、「自分がもっと決めていれば結果は変わった」と涙を見せた。
3点リードされた後半6分、渡辺はゴール前で相手からボールを奪い、右足を振り抜いた。「出場できない仲間の思いも込めてボールを蹴った」という。山田喜行監督は「積極性が出たプレー」とたたえた。
今大会は4ゴールを挙げ、攻撃を引っ張った。前線からの素早いプレスで、守備面でも貢献。強い気持ちを前面に出すプレーで、2年生ながらチームの中心を担った。「チャレンジする姿勢は見せられた」と収穫もあった。
試合後、3年生から「来年は頼むぞ」と声をかけられた。今月内には新人戦が始まる。「自分がチームを引っ張りたい」と決意を語った。
尚志4-1聖光学院(3-0、1-1)
▽得点者【尚】鈴木虎2(前16分、前36分)吉満(前40分)安斎(後32分)【聖】渡辺(後6分)