

▽準決勝 学法石川0-0帝京安積(PK8-7)
学法石川がPK戦の末、帝京安積を下した。学法石川は前、後半ともに相手を上回るシュートを放ったが得点に至らず。延長戦ではGK池田が好セーブで失点を防いだ。PK戦は1人ずつ失敗して迎えた9人目、池田が相手シュートを止め、試合を決めた。帝京安積は素早いパス回しで攻撃を仕掛けたがゴールを奪えなかった。
■GK池田読み的中 昨年も同カード、PK戦決着
2年連続で同じ顔合わせとなった準決勝は昨年と同様、PK戦にもつれ込むと、昨年と同じ8-7で学法石川が制した。9人目のシュートをセーブし、勝利に導いたGK池田翔(3年)は「チームを勝たせられてよかった」と笑顔を見せた。
池田は昨年のPK戦もゴールを守った。逆を突かれることが多かった1年前に比べ、今年は読みが当たった。相手の9人目の動きを読み切り、右へ低く跳んで右手1本ではじいた。雄たけびを上げ、駆け寄った仲間と喜びを分かち合った。
1年時の全国大会も2回戦でPK戦を経験した。それ以来、PK練習に毎朝取り組み、約30本のシュートを受けてきた。「自分の武器はシュートストップ」と絶対の自信を持つ。稲田正信監督も「池田なら止めてくれると思った」と絶大な信頼を寄せる。
圧倒的な存在感で4試合無失点のチームを最後方から支える。2年ぶり2度目の優勝を目指し、昨年決勝で敗れた王者尚志に挑む。「高校入学時から打倒尚志を掲げてきた。必ず勝つ」と闘志を燃やした。
■「仲間に申し訳ない」 シュート阻まれた渡辺結 帝京安積
両チーム無得点で迎えたPK戦は、緊張感に包まれた。帝京安積の9人目、FW渡辺結心は相手GKにシュートを阻まれると、頭を抱えながらピッチに倒れ込んだ。「自分が決めてさえいれば。仲間に申し訳ない」と目を真っ赤にした。
チームは積極的な攻撃と素早いパス回しを強みにしていたが、前半のシュート数は相手の7本に対し3本にとどまった。「パワーで押し込まれている。帝京らしさを出し切ろう」。ハーフタイムに小田晃監督からげきが飛んだ。後半は5本のシュートを放つなど、攻撃にリズムが生まれたが、1点が遠かった。
「俺も気持ちが分かる。お前は悪くないから気にするな」。渡辺結は昨年のPK戦で失敗したDF渡部心大に肩をたたかれて慰められた。「一緒に戦った仲間に感謝したい」と歩みを振り返った。「悔しさを味わった後輩は必ず県大会を制覇できるはず」と夢を託した。
学法石川0-0帝京安積(0-0、0-0、延長0-0、0-0)
(PK8-7)