

福島県郡山市の西部サッカー場で6日に行われた第101回全国高校サッカー選手権県大会決勝は、「攻撃サッカー」を掲げた尚志が2年連続13度目の頂点に立った。過去の全国大会での敗戦を糧に、選手全員が県大会優勝に向かってピッチを走り続けた。
今年1月、仲村浩二監督(50)は新体制となったチームに攻撃力のアップを求めた。全国を舞台にすると得点が決まらない試合もあった。「何点取られても取り返すサッカーをしよう」。イレブンはシュート練習の時間を増やし、決定力を磨いてきた。ヘディングも強化し、どの位置からでも貪欲に好機を狙い、ゴールへの執着心を高めた。
成果は決勝で発揮された。試合開始3分、コーナーキックのこぼれ球にDF白石蓮選手(2年)が素早く反応。右足で放った低い弾道のシュートがゴールに突き刺さった。県大会準決勝までの4試合無失点を誇る学法石川の堅い守備を打ち崩した。
2点を加えた後の後半20分、相手選手のコーナーキックが直接決まり、1点を許した。イレブンに動揺はない。後半39分、途中出場のFW網代陽勇選手(2年)が追加点を決めた。チームのシュートは前半の5本に対し、後半は倍の10本。仲村監督は「成長してくれた」とねぎらった。
1年間磨きをかけてきた攻撃力を武器に、全国で集大成を見せるつもりだ。「県代表としてふさわしいプレーをみせる」と山田一景主将(3年)。悲願の優勝を約束した。
■スタンド勝利に沸く
会場には約2400人の観衆が詰めかけた。尚志のOBや家族、学校関係者らが応援に駆けつけ、喜びに沸いた。
尚志サッカー部保護者会長の藤原広記さん(48)は「尚志伝統のパスサッカーで強さを発揮してくれた。全国大会でもリズム良く得点し、優勝してほしい」と期待した。