高校ラグビー

両校無念さにじます 勿来工「磐城の分まで」 高校ラグビー福島県大会決勝中止

2022/11/12 10:00

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 福島県広野町のJヴィレッジスタジアムで12日に予定していた第102回全国高校ラグビー県大会の決勝が磐城の棄権で中止になり、関係者は無念さをにじませた。磐城は花園への思いを勿来工に託し、勿来工は25年ぶりの聖地で磐城の分まで戦うと誓った。

 昨年覇者の磐城は今大会、日大東北との初戦を14-10で勝利。準決勝でも聖光学院との接戦を17-12で制し、2年連続の花園出場を目指して決勝に駒を進めていた。佐藤芳弘監督(59)は「決勝で戦えないのは残念だが、棄権の判断に至った。選手の落胆も大きいので全職員でケアに努めたい」と話す。全国大会に出場する勿来工に「県勢として1試合でも2試合でも勝ち進んでほしい」と思いを託した。

 決勝の対戦相手の勿来工には11日午後、磐城の棄権が知らされた。小松傑(たけし)監督(37)は夕方の練習終了後、選手に磐城の棄権と決勝の中止を伝えた。生徒は一様に驚いた様子で、「戦いたかった」との気持ちを表していたという。

 小松監督は「磐城のためにも、12日の県選抜との試合には全力で臨もうと選手に伝えた。花園での全国大会に向け、磐城の分まで戦うつもりでしっかりと準備し、県代表として恥ずかしくない試合をしたい」と両校の生徒の気持ちをおもんぱかった。

 小松監督は2020(令和2)年まで磐城の監督を務め、現在の磐城の3年生を指導した。「かつての教え子との試合を楽しみにしていた」と残念がった。

 いわき市の内田広之市長は「異例の形ではあるが、花園出場を果たせなかった同志の分まで精いっぱい頑張ってほしい」とエールを送った。