大相撲 郷土力士の話題

大波3兄弟に続け 福島県から角界に挑む清田哲平さん 兄2人に続き出羽海部屋に今春入門

2023/01/03 09:39

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3兄弟で関取を目指す(右から)哲平さん、清田さん、清の花さん
3兄弟で関取を目指す(右から)哲平さん、清田さん、清の花さん

 大相撲で福島県出身の新たな3兄弟が誕生する。郡山市の清田哲平さん(15)=郡山一中3年=は今春、兄2人が所属する出羽海部屋に入門する。長兄の清田さん(19)=本名・清田純平さん=は三段目、次兄の清の花さん(17)=本名・清田涼平さん=は序二段の力士だ。元幕下の父敦(おさむ)さん(53)が理事長を務める郡山相撲愛好会で力を付けた。角界を沸かせる福島市出身の大波3兄弟とは幼少期から接点があり、憧れの存在。3兄弟は「いつか必ず追いつきたい」と闘志を燃やしている。

   ◇   ◇

 ストーブがたかれた郡山市神明町の稽古場。哲平さんが敦さんの懐に何度も飛び込む。兄2人の突進も受け止めてきた分厚い体だ。

 3歳でまわしを付け、子供相撲大会に出場した。薫小4年時に初めて県大会で優勝。郡山一中では2、3年時に全国中学校体育大会(全中)の個人戦に出場した。兄たちに続いて力士の道を歩むのは「自然な流れだった」。15歳の春、末っ子は古里を離れ、父、兄と同じ部屋の門をたたく。

 175㌢、89㌔。右四つで前に出る取り口を磨いてきた。より高いレベルに足を踏み入れる上で「まわしを取れないと勝てない」と冷静に自己分析。「立ち会いから一気の寄りなど、相撲の幅を広げたい」と意気込む。

 出羽海部屋所属で、力強い押しが魅力の元大関・御嶽海関(30)を手本とする。昨年12月中旬の体験入門では、緊迫した空気に「厳しい世界。やるしかない」と身が引き締まった。

 幼い頃、大会会場でよく大波3兄弟に遊んでもらった。憧れであり、目標の存在だ。幕内での対戦は夢だが「まずは父を超え、関取になりたい」。すり足のごとく、地に足を付けて歩む。

 長男・清田さん、次男・清の花さんも目標は「3兄弟同時関取」だ。弟の入門決定を刺激に、初場所(8日初日・両国国技館)での好成績を期す。

 清田さんの最高位は東三段目15枚目。昨年は首のけがで夏、名古屋場所を連続休場し、序二段に落ちた。三段目に戻り2場所目の九州場所で5勝2敗と勝ち越し。初場所は東三段目39枚目で臨む。「早く幕下に上がり、十両が見える位置で戦う」と意欲を見せる。

 清の花さんは自己最高位の東三段目87枚目だった九州場所で、3勝4敗と負け越した。左の前まわしを取り、横に動く相撲を身上とする。初場所は西序二段20枚目で迎える。「前に出る力を付け、周りから応援される力士になりたい」と一層の精進を誓う。

 敦さんは「清の海」のしこ名で32歳まで現役を続けた。最高位は西幕下2枚目。出羽海部屋には、2歳年上の出羽海親方(53)=元幕内小城の花=ら知人が今も多い。

 2016(平成28)年7月、実家の跡地に稽古場を作った。「けがせず満足するまで戦い、自分を抜いてくれたらうれしい」。妻裕子さん(49)と共に、愛息3人の飛躍を願っている。