東日本大震災・原発事故

津波浸水域の植物に光 21日から画家倉科さんの作品展 福島県南相馬市博物館

2023/01/21 09:10

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南相馬市小高区のミズアオイなどを描いた作品を紹介する倉科さん
南相馬市小高区のミズアオイなどを描いた作品を紹介する倉科さん

 福島県南相馬市博物館の企画展「倉科光子植物画展 ツナミプランツ―津波浸水域の植物たち―」は21日、開幕する。3月12日まで。

 東日本大震災の発生後、津波の浸水域ではそれまで見られなかった植物が姿を見せた。それらをツナミプランツと名付けて描いている画家倉科光子さん(東京都)の作品14点を紹介する。

 細部まで緻密に表現するボタニカルアートの技法で、南相馬市小高区のミズアオイなどを描いた。地面に埋もれていた種が芽吹いた絶滅危惧種、植物がせめぎ合うように生える様子なども題材にしている。

 南相馬市の他、相馬市や岩手県などを取材で訪れた。南相馬市博物館が制作に協力した縁で、東北で初めての展示が決まった。2月12日には倉科さんらのギャラリートークを行う。

 倉科さんは19日、会場で記者発表に臨み、「植物は意味があって、そこに生えている。意味に思いをはせて作品を見てほしい」と呼びかけた。学芸員の仲川邦広さんは「緻密に描かれた植物は深い洞察をもたらし、震災の生き証人のようだ」と話した。

 開館時間は午前9時から午後4時45分(最終入館午後4時)までで月曜休館。入館料金は一般400円、高校生200円、小中学生は100円。問い合わせは南相馬市博物館へ。