衆院小選挙区定数「10増10減」で福島県選挙区が5から4に減ったのを受け、立憲民主党県連は27日、郡山市など県中地区の新2区で、旧3区選出で元外相の玄葉光一郎氏(58)=当選10回=と旧2区を地盤とする比例東北の馬場雄基氏(30)=当選1回=の2人を次期衆院選の公認候補者となる支部長に選任し、比例東北に転出するいずれかを比例名簿上位で優遇し当選を担保するよう党本部に上申した。
福島市で開いた常任幹事会で、選挙ごとに小選挙区候補と比例代表候補を入れ替えるコスタリカ方式を新2区で導入するよう党本部に求める方針を決め、即日上申した。玄葉氏の地元田村市や須賀川市、馬場氏が活動する郡山市などを含む新2区で両氏による共闘態勢を構築し、岸田文雄首相側近で閣僚を歴任してきた自民党県連会長の根本匠氏(71)=当選9回=に対抗する狙いがあるという。
常任幹事会は冒頭を除き非公開。玄葉氏は会議後、新2区から立候補する意向を改めて示した上で「(党本部が)コスタリカ方式を完全に受け入れる環境が整った訳ではないが、少なくとも1回は比例(に転出した候補が名簿上位で)優遇される見通しが立ってきた」と述べ、党本部との調整が進んでいると明らかにした。
馬場氏は「生まれたのは郡山市だが高校まで育ったのは福島市」と振り返り、福島市を中心とした新1区か新2区かの選択で「非常に悩み、苦しみながら今に至る」と吐露した。本県選出の党所属国会議員らとの協議を経て「党を強くするという強い思い」で新2区を選択したと述べ、共闘による党勢拡大を目指すとした。
立民党本部によると、旧民主党時代を含め、全国でコスタリカ方式を採用した実績はない。次期衆院選から比例東北(定数13)は1減となる上、比例の上位枠を本県現職が確保することに東北地方の候補者らが難色を示す可能性もある。候補者決定権は党本部にあり、今後の調整が焦点となる。
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立民県連は県北地方の新1区は現職金子恵美氏(57)=当選3回=、会津地方と県南地方が合わさった新3区は現職小熊慎司氏(54)=当選4回=を候補予定者に選任するよう上申した。浜通りの新4区は引き続き、支部長となる候補者の選考を続ける方針。