東日本大震災・原発事故

4月初旬の避難指示解除目指す 福島県富岡町の特定復興再生拠点区域 桜まつり前に

2023/03/03 22:03

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 福島県富岡町は東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)について、4月初旬の避難指示解除を目指す方針を固めた。近く国、県と協議に入る。3日に開かれた町議会全員協議会で、議会から日程協議を町に一任する同意を得た。町は桜の名所・夜の森地区で4月8、9の両日開かれる桜まつりの前に解除し、町民が古里に戻り、桜を楽しめるようにする考え。

 全員協議会には町、国、県の関係者が出席した。議会は避難指示解除の要件を満たしたとする町からの説明に理解を示し、町に解除日協議を一任すると全会一致で決めた。一方で、さらなる放射線量の低減へ追加除染の徹底や、環境回復、生活環境の改善に向けた各施策をしっかり進めるよう強く求める意見があった。

 全員協議会後、山本育男町長は報道陣に「桜まつり前に復興拠点(夜の森地区)の避難指示を解除して、みんなで祭りを楽しみたい」と4月初旬の解除を目指す理由を説明した。町によると、4月1日から7日までの解除を想定している。

 富岡町の復興拠点は夜の森地区を中心とする約390㌶で、1日現在の住民登録者数は1143世帯、2580人。昨年4月に始まった準備宿泊は26世帯54人が登録している。

 復興拠点外を通る小良ケ浜、深谷両地区の主要道路や墓地なども復興拠点に位置付けられている。道路周辺などの除染(外縁除染)の完了時期が当初より遅れており、小良ケ浜、深谷両地区の点的、線的な拠点の避難指示解除は9月以降になる見通し。