東日本大震災・原発事故

藤沼湖決壊の犠牲者しのぶ 福島県須賀川市長沼地区

2023/03/11 18:05

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慰霊碑を前に、黙とうする出席者
慰霊碑を前に、黙とうする出席者

 東日本大震災で農業用ダム「藤沼湖」が決壊した福島県須賀川市長沼地区では、「大震災と藤沼湖の記憶をつなぐつどい」が開かれた。

 「藤沼湖決壊による慰霊碑建立実行委員会」の主催。約100人が出席し、滝防災公園の慰霊碑を前に黙とうをささげた。実行委員長の柏村国博さんが「災害の怖さ、防災の難しさ、自分の命を守る大変さを伝えていかなければならない」とあいさつした。橋本克也市長、玄葉光一郎衆院議員らが哀悼の言葉を述べた。

 出席した市内の小針真由美さん(58)は義母のトシさん=当時(73)=を亡くした。「(トシさんの)ひ孫が成長した姿を見てもらい、感謝の思いを伝えたい」と家族5人とともに献花した。真由美さんは「厳しくも優しい人だった。庭の花畑から顔を出す姿が忘れられない。いろいろな話をしたことを思い出す」としのんだ。