

福島県高野連は、22日に始まる第75回春季東北地区高校野球支部予選から新型コロナウイルスの感染対策を緩和し、スタンドでの声出し応援やブラスバンドの演奏を可能にする。19日、郡山市の郡山ユラックス熱海で開いた2023(令和5)年度第1回理事会・顧問会で決めた。
新型コロナの5類移行、3月の第95回選抜高校野球大会で「マスク着用は個人の判断」とした日本高野連のガイドライン変更を踏まえた。各球場での観客数の上限も設けない。ただ、支部予選から県大会までの間に5類に移行するため、試合球場のある地元自治体から声出し応援などへの自粛要請があれば従う。
ルールの一部改正もあり、天候不良などで試合が中断した場合、翌日以降に中断時点から試合の続きを行う「継続試合」を導入する。降雨によるノーゲームやコールドゲームはなくなる。
春季東北地区高校野球県大会は5月13日から会津若松市のあいづ球場をメインに3球場で、夏の甲子園出場を懸けた第105回全国高校野球選手権記念福島大会は7月8日から福島市の県営あづま球場をメインに5球場で開かれる。
理事会では、県内唯一の軟式野球部が活動していた会津北嶺は今春の新入部員がゼロで、部員不足もあり県高野連に非加盟となると報告された。そのため県大会は開催しない。
都道府県功労者表彰に宗像治顧問を推薦したほか、松浦冬樹会長の定年退職に伴う役員改選で新会長に酒井祐治氏(福島商校長)を選んだ。任期は1年。松浦氏は顧問に就く。
■福島県高野連 酒井祐治氏が会長就任 チーム減少、対策に力
県高野連の新会長に就いた酒井祐治氏は、新型コロナウイルスの感染対策緩和で従来の試合環境に戻ることを安堵(あんど)する一方、チーム数の減少を課題に挙げ、「魅力発信など、さまざまな対策が必要」と力を込める。
県内高校野球を巡っては、過去15年で約20チーム減り70チームほどになった。このため、次回の秋季東北地区高校野球県大会は全出場校参加型のトーナメントで行われる。チーム数を増やすには「若い世代への魅力発信が欠かせない」と指摘。高校球児と小学生の交流の場を設けるなどして野球の楽しさを子どもたちに伝えたい考えだ。
保原高や福島北高で監督を務めてきたが管理職昇進に伴い、高校野球の世界から10年間離れていた。「少子化の波など課題は多いが、選手が全力プレーできるよう支えたい」と意気込む。湖南高校長時代に習得した「そば打ち」が趣味で、同校では種まきから取り組んでいた。今後は高校野球で新たな種を育むつもりだ。