東日本大震災・原発事故

福島県産食品輸入規制、EUでの撤廃要望 知事ドイツ訪問 食糧・農業政務次官と会談

2023/04/29 10:14

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柳大使との会談に臨む内堀知事(左)
柳大使との会談に臨む内堀知事(左)

【ドイツ・ベルリンで本社報道部・本間翔】福島県の内堀雅雄知事は27日、ドイツ・ベルリン市を初めて訪問し、ドイツ食糧・農業省のオフィーリア・ニック政務次官と会談した。ドイツが加盟している欧州連合(EU)の東京電力福島第1原発事故に伴う福島県産食品の輸入規制に関し、科学的根拠に基づいたデータを踏まえて撤廃するよう求めた。

 会談は非公開。内堀知事は27日午後(日本時間27日夜)に同省を訪れ、東日本大震災と原発事故発生後に受けた多大な寄付への感謝の気持ちを伝えた。県内の農林水産物の安全対策や放射性物質モニタリング検査を徹底している点を説明した。ニック政務次官は「具体的なデータを提供してほしい」と福島県の取り組みに関心を寄せた一方、規制撤廃については「EUの対応を注視する」にとどめたという。会談後、内堀知事は「今後の議論に期待したい」と述べた。

 内堀知事は同日、柳秀直駐ドイツ日本大使と会談した。今回の欧州訪問で本県がドイツ・ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州、ハンブルク州と更新した連携覚書について、柳大使からは「特定の分野だけでなく、幅広い内容で連携ほしい」との発言があったという。内堀知事は「時代の状況変化に応じて広げていく」と語った。

 内堀知事は同日、今月13日に来県したドイツのシュテフィ・レムケ環境・自然保護・原子力安全・消費者保護相、震災と原発事故発生時に駐日ドイツ大使を務めていたフォルカー・シュタンツェル独学術政策財団経営顧問上級フェローとも面会した。

 内堀知事は訪欧の全日程を終え、28日午前(日本時間28日午後)にベルリン市のブランデンブルク国際空港を出発した。29日午前に日本に到着予定。