東日本大震災・原発事故

福島県浪江町に新たに醸造所 酒蔵を営む「haccoba(ハッコウバ)」

2023/04/29 19:00

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醸造所の壁面となる木材を積み上げる参加者
醸造所の壁面となる木材を積み上げる参加者

 福島県南相馬市小高区で酒蔵を営む「haccoba(ハッコウバ)」は浪江町に新たに醸造所を設け、6月の酒造りの開始を目指している。22日から25日までの4日間、関係者計約50人が壁面となる木材を積み上げるDIYイベントを行った。

 地域の記憶をつなごうと、建物には東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後に住民を受け入れた仮設住宅の木材を使用した。4世帯が住んでいたという2棟を解体し、木材に番号を割り振り、そのままの形で移築している。

 DIYイベントには関係者のほか、SNSなどで募集したファンが各地から集った。工事を担当する地元建築事務所の指導を受けながら木材を積み上げた。

 ハッコウバ代表の佐藤太亮さん(31)は「震災当時も全員で協力しながら仮設住宅を建てたと聞いた。当時の思いを受け継いでいると思えた」とイベントを振り返った。醸造所は5月に完成予定。