
バスケットボール男子Bリーグ2022―23シーズンの全日程を7日に終えた2部東地区の福島ファイヤーボンズは、悲願のB1昇格を逃した。レギュラーシーズンは28勝32敗の東地区4位。34勝18敗で3位だった昨季と比べ苦しんだ。2年連続で臨んだプレーオフは、再び準々決勝で涙をのんだ。今季を振り返り、B1昇格への課題を探る。
ボンズは10月1日の開幕戦で勝利したが、2戦目から6連敗を喫した。新加入を含む選手同士の連係不足で、攻撃のリズムをつかめなかった。悪い流れを断ち切れず、11月27日には借金が7まで膨らんだ。
試合をこなすごとに、攻守がかみ合い出した。昨年末から年始にかけてホーム5連勝を含む7連勝で15勝13敗と持ち直した。インサイドを担当するグレゴリー・エチェニケと、3点シュートの成功率が高いジョシュ・ハレルソンを中心に多彩な攻撃が光った。
しかし在籍3年目のエリック・マーフィーが2月、右ふくらはぎの肉離れで故障者リストに入った。昨季の3点シュート成功率がB2で5位(37・9%)だった主力の穴を埋めようと、チームは団結した。意見を交わし、得点パターンを共有。各自が役割を理解して動けるようになった。
シーズン後半は連勝、連敗を繰り返し、B1チームに所属経験がある日本人選手が奮闘した。全試合で先発した橋本尚明は気迫あふれるプレーで試合の流れを呼び込んだ。外国人選手へのマークが厳しい中で得点源となったのは長谷川智伸。レギュラーシーズンの3点シュート成功率は昨季の34・7%から41・1%まで上昇させた。短期契約で加入した外国人選手も勝利に貢献した。
佐野公俊ヘッドコーチ(HC)は「苦しい時期もあったが、選手たちが話し合いを重ねてくれた」と就任1年目を回顧する。ただ、プレーオフでは西地区1位の佐賀との力の差を痛感した。シュート成功率やミスの多さなど、B1を目指す上での課題が改めて浮き彫りになった。