
福島県富岡町の住民や町に関わりのある有志で結成する劇団は富岡町民劇団「ホーム」として、新たなスタートを切った。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による避難を経験した人々の思いなどを、劇を通して発信していく。21日、町文化交流センター「学びの森」で結団式を行った。
劇団は2019年にNPO法人富岡町3・11を語る会が主催した町民劇に参加したメンバーが母体となっている。20代から70代までの15人が集まった。
活動の第1弾として、10月7日に福島市のとうほう・みんなの文化センター(県文化センター)で初公演を開く。郡山市のビッグパレットふくしまでの避難所生活を経験した町民らの声をまとめた記録本「生きている 生きてゆく ビッグパレットふくしま避難所記」を朗読劇で披露し、団員が避難者のさまざまな感情を表現する。
10月22日の富岡町芸能祭や、12月9、10の両日に開かれる富岡演劇祭での発表も予定している。
結団式では富岡町3・11を語る会の青木淑子代表が「自分たちの演劇で人々をつなぐとともに、避難の記憶を伝えていきたい」と話した。団長に町在住の平良結香里さんを選んだ。