
自転車のロードレース大会「ツール・ド・ふくしま2023」は9月9、10の両日、東京電力福島第1原発事故で避難区域が設定された福島県の12市町村に、いわき、相馬、新地の3市町を加えた15市町村を通過するコースで開かれる。国内最長となる211キロのコースをはじめ、海沿いから阿武隈の山間部まで多彩な経路を銀輪が駆ける。Jヴィレッジ(楢葉・広野町)を起点に被災地を巡るサイクリング大会も同時開催し、東日本大震災と原発事故からの復興を発信する。県内の美しい景観をアピールし、交流人口の拡大につなげる。
準備委員会を1日、楢葉町のみんなの交流館「ならはCANvas」で開き、大会概要を固めた。競技部門とサイクリングに分かれる。競技部門のメインとなる211キロの上級者向けコースは10日に新地町の釣師防災緑地公園をスタートし、浜街道と国道6号を南下する。いわき市から昨年9月に開通した国道399号十文字工区を北上し、川内村、田村市を経て葛尾村の復興交流館あぜりあにゴールする。
タイムトライルは初日の9日、川俣町の川俣高周辺から飯舘村の道の駅までい館までの経路で行う予定。サイクリングはJヴィレッジをスタート・ゴールに、太平洋を望む浜街道を通り、復興の進む地域を巡る75キロコースと40キロコースを設定した。
両日合わせて約1500人の参加を想定している。出場者のエントリーは近く開始する。
大会は福島民報社と県自転車競技連盟、県サイクリング協会、一般社団法人みんぽうスポーツ・文化コミッションが主催する。4月に大熊、双葉両町で初開催した「ツール・ド・ふたば」を含め、復興を発信する「福島復興サイクルロードレース」シリーズの一つに位置付けられている。