福島県の相馬双葉漁協の2022(令和4)年度の水揚げ額は31億1741万円(前年度比10億6383万円増)となり、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生後、初めて30億円を超えた。17日、相馬双葉漁協が相馬市の漁協本所で総代会を開き報告した。
水揚げ数量は4647トン(同704トン増)で、震災前の25%程度だった。取引価格が高いシラスやトラフグ、タチウオ、ホッキの水揚げが伸びたことで、水揚げ額は震災前の45%ほどに回復した。一方、コウナゴは休漁、サケは不漁となっており、同漁協は地球温暖化の影響で魚種交代の加速が見られるとした。
◼️2023年度目標は33億円
2023年度の水揚げ額の目標は33億円とした。政府が夏ごろまでを目標にしている福島第1原発の処理水の放出開始により、風評被害が懸念されるとして2022年度実績から2億円増にとどめた。今野智光組合長は「廃炉まで放出の影響を受ける。安心と安全の確保を国に求めていく」と述べた。