東日本大震災・原発事故

地域活性化・産業振興へ協定 〝よい仕事おこし〟フェア実行委員会と福島県浪江町が締結

2023/06/24 09:14

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協定書を手にする(左から)太田理事長、吉田町長、鈴木さん、川本理事長
協定書を手にする(左から)太田理事長、吉田町長、鈴木さん、川本理事長

 全国の信用金庫でつくる「〝よい仕事おこし〟フェア実行委員会」と福島県浪江町は23日、地域活性化と産業振興に向けた包括連携協定を締結した。浪江町と全国の企業や自治体などを結び、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興につなげていく。

 町内の道の駅なみえで締結式を行い、フェア実行委事務局を務める城南信用金庫(本店・東京都品川区)の川本恭治理事長、実行委員のあぶくま信用金庫(本部・南相馬市)の太田福裕理事長、吉田栄光町長が協定書に署名した。吉田町長は「町づくりのパートナーとして、末永いお付き合いをお願いしたい」と述べ、特産品のPRやビジネスマッチングなどに期待を寄せた。

 川本理事長は全国の信用金庫、自治体、報道各社などでつくるネットワークの強みを語り、「日本中の方々に来ていただけるような浪江町を目指していく」と強調した。太田理事長は「浪江の発展のため支援を続けていきたい」と決意した。

■古里への思い語る 城南信金職員の鈴木桂子さん(浪江町出身)

 締結式には浪江町出身で城南信用金庫馬込支店に勤務する鈴木桂子さん(56)が臨み、古里への思いを語った。

 鈴木さんは浪江高卒業後に城南信金に就職。震災と原発事故の発生前、母のために町内に家を購入した。原発事故による母の避難生活が長期化して家は荒廃し、解体される様子を目にした。「変わり果てた古里を訪れる度に、つらい気持ちになった」と振り返る。

 現在は年に数回、居住する横浜市から母と町を訪れており、「多くの方が福島のために壮絶な苦労をしたから今がある。お役に立てることがあれば全力でサポートする」と誓った。