W杯目前、福島県勢奮闘 なでしこジャパン遠藤純選手(白河市出身) けが克服気迫プレー

2023/07/15 09:35

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ウオーミングアップで体を温める千葉選手
ウオーミングアップで体を温める千葉選手

 3大会ぶりの世界一奪還へ―。サッカー女子ワールドカップ(W杯)開幕が迫った14日の日本代表「なでしこジャパン」とパナマ代表との国際親善試合で、MF遠藤純選手(23)=エンゼルシティー、福島県白河市出身=は果敢にゴールに迫り、気迫のこもったプレーを繰り広げた。本番前最後の実戦で快勝に貢献。自身2回目となるW杯の大舞台で活躍を誓った。JFAアカデミー福島出身のDF石川璃音選手(20)=三菱重工浦和=も出場した。

 仙台市のユアテックスタジアム仙台に集まった1万人以上のサポーターの声援に後押しされるように、左サイドで先発した遠藤選手はピッチを積極的に動き回った。

 試合開始早々、チームを勢いづけるプレーを見せる。相手陣内中央でボールを受けると、味方とパスをつなげ、一気にペナルティーエリア内へ。クロスを上げ、チャンスをつくるとサポーターから歓声が湧いた。前半25分ごろには、こぼれ球に反応してシュートを放った。惜しくも外れたが、好調さを示した。2022(令和4)年4月から所属している米国プロチームで磨いた身体的な強さも発揮した。

 今回のW杯出場には、特別な思いがある。初の代表入りを果たした2019年大会では、高倉麻子前監督(55)=福島市出身=の下、優勝を目指したが結果は16強にとどまった。日本中の期待が集まった東京五輪も8強で終え、じくじたる思いが残った。

 今大会で巻き返しを図ろうと決意したが、メンバー発表直前に左脚を負傷。焦りや不安を感じていたが、家族やチームメートからの励ましを受けて乗り越え、代表の座を射止めた。

 米国では、世界との差を縮めるために、フィジカル面やスピードの強化に努めた。心構えに変化が現れた。「チームの戦術を守りつつ自分のやるべきことを自由にやろうと考えるようになった」とプレー姿勢に積極性が加わった。闘志を奮い立たせようと、髪をピンク色に染めた。

 古里からのエールが努力の糧となっている。「地元福島からの応援がありがたい。恩返しの意味を込め、本番ではゴールを決める」と力強く語った。W杯は20日に開幕する。


■「相手脅かす存在に」千葉玲海菜選手(福島県いわき市出身)

 昨年9月、右膝前十字靱帯(じんたい)を損傷する大けがを負ったものの懸命にリハビリに励み、初の代表入りをつかみ取ったFW千葉玲海菜(れみな)選手(24)=千葉、いわき市出身=は、この日、ベンチから仲間を鼓舞した。出場機会はなかったが、日本のゴールが決まると喜びを分かち合い、ねぎらった。ピッチ脇でウオーミングアップするなどして体を温めた。

 千葉選手は試合後、「自分が出たら、どう動くかイメージしながら備えた。先発への憧れはあるが、本番では途中から出場して相手チームを脅かす選手になりたい」と抱負を語った。


 福島県関係では、いずれもJFAアカデミー福島出身のGK平尾知佳選手(26)=新潟=、DF三宅史織選手(27)=INAC神戸=、DF守屋都弥選手(26)=INAC神戸=が控えに回った。