東日本大震災・原発事故

2地域居住など容認 福島の特定帰還居住区域 政府、復興方針改定を閣議決定

2023/07/29 09:20

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 政府は28日、東京電力福島第1原発事故からの復興に向けた福島復興再生基本方針の改定を閣議決定した。原発事故に伴う帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域の避難指示解除を可能とする「特定帰還居住区域」の設定に当たり、二地域居住など多様な帰還の在り方を容認した。

 基本方針は改正福島復興再生特別措置法の公布・施行に伴う改定で、「最終的には帰還する前提の下、住民の意向を踏まえた多様な帰還の在り方を認める」と新たに明記した。政府はこれまで復興拠点外の住民帰還について、古里に戻って定住する人の自宅などの日常生活圏を除染するとしていたが、避難先の生活基盤を当面維持する人でも「最終的に定住する」との意向を示せば除染するとした。ただ、どの程度の期間、二地域居住を認めるのかは示さなかった。

 他にも、住民間の分断や不公平感が生じないよう十分に配慮することや、市町村の意向を踏まえた柔軟な設定を認める必要性も盛り込んだ。

 政府は来年3月末までに大熊、双葉両町で特定帰還居住区域を認定し、除染を開始する方針。