
【スウェーデン・オスカーシャムで双葉南支局長・渡部純】原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分を学ぶためスウェーデンを訪問中の「ふくしまハイスクールアカデミー2023」の一行は7日午後(日本時間7日夜)、オスカーシャム自治体のエスポ岩盤研究所を訪れた。
最終処分場の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が運営する研究所で、地層処分に向けた岩盤調査や技術開発の説明を受けた。地下460メートルの坑道に入り、核のごみをキャニスタという銅製の容器に入れ、緩衝材(ベントナイト)で岩盤内に定置する技術の実証現場を見学した。実証過程で18億年前の微生物や100万年前のキノコなどが見つかり、貴重な資料になっているという。
スウェーデンでは、最終処分場をエストハンマル自治体のフォルスマルクに建設することが決まっている。稼働は2030年後半となる見通し。岩盤研究所のあるオスカーシャム自治体も候補地となっていた。
磐城桜が丘高2年の岡田瑠衣さん(16)は「世界で考えるべき大きな問題の解決に向けて取り組んでいる現場を見て、改めて核のごみ問題に向き合う大切さを感じた」と語った。
スウェーデン研修はNPO法人ハッピーロードネットの主催。浜通りと原発関連施設が立地する北海道、青森、茨城、福井の高校2年生13人が参加している。