
福島県飯舘村は、東京電力福島第1原発事故に伴い休校している相馬農高飯舘校周辺の約11・1ヘクタールに産業団地を整備する方針を固めた。村は県教委に対し飯舘校の本校統合、関連施設と土地の払い下げを求めている。県教委の認可が得られれば、第2期復興・創生期間の最終年度に当たる2025(令和7)年度までに整備を完了させたい考えだ。
産業団地には複数区画を設ける方針。進出企業の意向に合わせオーダーメードで区画を整備する方式を想定している。整備予定地のうち、6ヘクタール余が飯舘校の敷地となっている。県道原町川俣線沿いで利便性が高い上、「いいたて村の道の駅までい館」が隣接しており村の産業活性化を後押しする立地であると判断した。整備には復興関連の国の交付金活用を検討している。
現在、村内に産業団地はない。村は復興加速化や帰還者、移住・定住者の増加に向けた雇用創出のため団地整備を目指していた。2022年度に実施した調査結果を踏まえ、候補地を選定した。県教委は南相馬市にある本校との統合、県有施設の払い下げなどについて検討する。
杉岡誠村長は1日に開会した村議会9月定例会の冒頭、整備計画の概要を示した。予定地の周辺住民や飯舘校同窓会などから一定の理解を得ているとした上で、25日までパブリックコメント(意見公募)を実施していると説明。「意見を踏まえ、スピード感を持って取り組む」と語った。
相馬農高飯舘校は原発事故発生後、福島明成高にサテライト校を開設した。2020年4月から休校している。原発事故により双葉、浪江、浪江津島、富岡、双葉翔陽の5高校が休校となっている。
9月定例会の会期は15日までの15日間。杉岡村長が1億4886万円を追加する2023年度一般会計補正予算など11議案を提出した。主な補正は未来へつなぐ商工業支援業務4475万円など。