東日本大震災・原発事故

「奇跡のあじさい」を架け橋に 福島と長野両県の「長沼」地区住民が交流

2023/10/21 09:21

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ボタンの苗木を受け取る長野側の住民(左)
ボタンの苗木を受け取る長野側の住民(左)

 福島県須賀川市長沼地区と長野市長沼地区の住民の交流会は20日、須賀川市の長沼農村環境改善センターで開かれた。東日本大震災の記憶を将来につなぐとともに、両地区の復興を願う集いとして催した。

 約70人が参加した。藤沼湖自然公園復興プロジェクト委員会の深谷武雄委員長が歓迎の言葉を述べ、長野市の「どんどこ座・芙蓉の会」サブリーダーの中村俊範さんがあいさつした。長野側にボタンの苗木が贈られ、出席者が大正琴や太鼓の演奏を繰り広げた。

 震災で決壊した藤沼湖の底で見つかった「奇跡のあじさい」を基にした歌「あじさい賛歌」が披露された。2019(令和元)年10月の台風19号で流出後に、地中から発見された長野市の「善光寺太鼓の梵鐘(ぼんしょう)」が鳴らされ、災害の犠牲者に黙とうをささげた。災害などを研究する関西大社会安全学部(大阪府)の学生も参加した。

 両地区は歴史的な縁などで交流がある。19日に開いた植樹会では「奇跡のあじさい」を軸に、結び付きを強める方針を確かめた。元長野市長沼公民館長の宮沢秀幸さんは「『奇跡のあじさい』を架け橋に絆をさらに強め、双方の発展につなげたい」と決意を語った。